第十五回 湯会レポート@土湯アラフドアートアニュアル2014「露天風呂マスターにお風呂の作り方を聞きに行く!」

「Drop your weapons, let’s bathe together.」を合い言葉に、湯を通じた対話への道として各地で「湯会」を開催してきた湯道。今年も福島県土湯温泉「アラフドアートアニュアル2015」に湯道ツア—で行ってきました!

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アラフドアートアニュアルとは、原発の風評被害で旅行客の激減した土湯温泉で街の若旦那たちが立ち上がり、昨年始まったアートフェスティバル。「アラフド」とはこの地に伝わる古い言葉で「新雪を踏みしめる」の意味だそうで、「アニュアル」なので去年に続いて今年も開催。今年は9月5日から39日間、39人のアーティストと研究者、湯道など招いて開催されました。
「アラフドアートアニュアル2014」ウェブサイト




今回の湯会参加メンバー。山根屋旅館のイケメン若旦那を真ん中に。



土湯温泉に着いてまずは、蕎麦屋「ひさご」へ。新潟の大地の芸術祭でもへぎそばが有名だけど、ここの蕎麦も絶品!5種ほどの突き出しに山菜の天ぷらが出てきたら、もうビールを飲まない訳にはいかない。早くもほろ酔い。ゆるりといくのが湯道流です。
そして、展示ディレクターのユミソンの案内でアートツアーへ。



こちらは展示作品ではなく、こけしの里の象徴、巨大こけし。右に見えるのが今回、湯道メンバー中村ケンゴ画伯デザインによるアラフドアートアニュアル公式てぬぐい。小さくてよく見えないけど、湯気のフキダシとコケシがモチーフで、こけしの表情も全部違う力作です。土湯に行った際には是非お土産に!



鉾井喬さんの作品のビデオ映像などがプロジェクションされていた空き家。なぜか僕の娘がここの窓際に延々と立ち尽くし、その後は突如として「おうちにかえりたい〜」と号泣。この家のなにが急にホームシックを呼び起こしたのか不明。。



ほとんど風がないように感じるなかでも、ゆらゆらと揺れ動く鉾井喬さんの作品(写真右)。極薄のアルミでできていて、バラバラにすれば持ち運び可能という、見えない自然の力を可視化する作品。
ずらっと並ぶこけしのなかにこっそり置かれた、アスラ・バークの作品(写真左)。なんだか昔の温泉地によくあった秘宝館を思い出させる。




三田村光土里さんの古い部屋を使ったインスタレーション。部屋に入ると、ぶらさがったコケシたちが井戸端会議しているかのように、どこからか街のおばちゃんたちの話し声が聞こえてくる(後で聞いたところによると、おばちゃんたちへのインタビューを元に、三田村さん自身が真似て話しているものだとか。方言がうますぎて、てっきりおばちゃんかと)。かつて、こけしをつくる職人たちがたくさん住んでいた街の雰囲気を急にリアルに感じました。



右は佐々瞬のビデオ作品。テレビの台となっているIKEAあたりの安い木のテーブルが、時にはくりぬかれてギターになって実際に舞台で演奏されたり、釣り竿となって釣りに使われたり…後は何に使われたか忘れてしまったけど、数えきれない用途に使われて、再び元のテーブルにはめこまれてここに展示されている…モノの無限の可能性を実際に見せてくれる作品。
「明るい未来」という抽象的すぎて空疎にも感じるキーワードと矢印を示した立看板(写真左)。これを都会の路上で持って立ち、道ゆく人の反応を映像で記録した川田淳さんの作品。町おこし、あるいは広告でよく使われそうな偽善的な言葉への批評でしょうか。



路上に座りこんで写生していた河口遥さん。チョークなので雨が降れば消えてしまう。そのとき居合わせた人たちにしか見えない、はかない時間限定絵画。そういえば昔、夏のベネチアの路上で、水と筆を使って人の顔(作家本人?)のポートレートを描いている人を見かけたのを思い出しました。このときは人のアイデンティティの不確かさや移り変わりの速さをパフォーマンスとして感じたのですが、彼女はどういう意図だったのでしょうか。



左は、町のいたるところに描かれた、なんだか不穏な新しい温泉マークのようなSUIKOさんのグラフィティ。ちなみに去年もここに巨大なグラフィティが描かれていたけれど、市の決まりで毎回展示後は塗りつぶさなければいけないというのが、もったいない。右は阿部乳坊の彫刻。船越桂の彫刻を思わせる端正な人間の顔に、胴体はやけに足が細い想像上の四つ足動物の作品。「ジョジョ」とかアニメのキャラクターのようでもあります。



右は、北川貴好さんの廃墟となった巨大空間をブルーシートで覆ったインスタレーション作品。工事現場やホームレスの家でおなじみのブルーシートもこうして観るとなんだか美しい。



大きな手描き世界地図にアーティストたちが様々な絵や言葉を描き込んでいくことで完成していく青山悟さんの作品。その奥には、薄暗いなかにぽつんと置かれた、彼のトレードマークともいえる刺繍で描かれた一輪のバラの花の作品が。シーンとした廃墟だからこそ、かえってその静謐な美しさが感じられて印象的でした。さらに、会場が暗くなった夜にはこのバラが外部から一点の赤い光で照らされるとのこと。誰にも見られず、想像のなかだけで赤く光り続ける花。



湯道ツアー一行はアートツアーの後、向瀧旅館の川を見下ろす露天風呂へ。湯加減も熱すぎず、最高です。



今回はお寺に泊めていただきました。
夜は、参加者1品ずつ持ち寄りによる「混浴鍋」。お寺のお堂で湯会をやったのは初めてでした。


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翌朝、ちゃんと掃除して朝食食べてから、露天風呂のつくりかたを教えてもらうため、奥土湯温泉の相模屋旅館へ向かいます。



土湯峠に向かう途中の道の駅で「痛車」発見!
と思いきや、昨日、旅館跡でも見かけた雪の結晶を描いた松下徹さんの作品でした。
悪ノリしてサングラスをかけ、ヤンキー風バカ親子記念写真を撮影。



そして、いよいよ今回の湯道ツアーのメインの一つでもある相模屋旅館の露天風呂へ。
もうもうと吹き上がる湯煙と、木材でつくられた荒々しいバラック?なにかのアジトでしょうか?!
黒澤明の『蜘蛛の巣城』のような相模屋旅館の露天風呂。元々は、この写真をユミソンから見せてもらって「行ってみたい!」と今回のツアーがスタートしたのでした。



興奮する僕らは早速、宿の若旦那、龍太郎さんの案内で露天風呂へ。
先代が職人さんたちと手づくりで建てたという渡り廊下を降りていくと、前方には吹き上がる湯煙が!僕らのテンションもMAXに。



自然の風合いをそのまま生かした壁の向こうは女性用露天風呂。
猛々しい木々に囲まれた男性露天風呂に、湯道てぬぐいを巻いて早速入浴。
乳白色で熱すぎない最高な湯加減ながら、入っているだけで野性が呼び醒されるような強烈な感覚。



温泉へのアプローチも、壁もすべて自然の木をそのまま生かした猛々しい造形感覚。
川俣正の材木を使ったインスタレーションも思い出させるのでした。



宿に戻って食事を頂きながら、龍太郎さんに「露天風呂のつくりかた」を聞く。
湯道では東京の近場、奥多摩あたりに露天風呂つきゲストハウスをつくってみたいと妄想中。
さすがに温泉を掘るのはお金もかかりすぎるけど(掘削費用は1千万円〜しかも掘ってみて出ないこともあるとか…)、お風呂自体は、木でも、岩でも、セメントでもつくる人の感性で、要はお湯が溜ればいい。
川から水を引いてきて五右衛門風呂をつくるとか、すでに温泉を引いた宿から湯を分けてもらえばやり方はありそうです。
まずは奥多摩あたりに候補場所を探してから、みんなで露天風呂つくってみたい!と気持ちを新たにするのでした。



相模屋旅館を後にした僕らは、強烈な風呂でまだ頭がぼーっとするなか、
帰り道、民家園に設置された作品も鑑賞しつつ帰路へつくのでした。

とっても長くなりましたが、今回の湯道、土湯温泉ツアーレポートでした!
次は、まずは奥多摩での候補地探しだ!(近藤)



今回泊めさせていただいたお寺で集合写真



【湯道ツアー】土湯アラフドアートアニュアル2014「露天風呂マスターにお風呂の作り方を聞きに行く!」
2014年9月27日(土),28日(日)
アラフドアートアニュアル2014






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